Tuesday, February 21, 2023 5:51 AM
英BP、給油所運営TAを買収〜13億ドルで
英エネルギー大手BPは、トラックストップ(都市郊外の幹線道路沿いにある給油所、飲食・休憩所を備えた施設)大手のトラベルセンターズ・オブ・アメリカ(TA、本社オハイオ州)を約13億ドルで買収すると発表した。バイオ燃料と電気自動車(EV)充電分野で、小売りネットワークの拡大を目指す。
ロイター通信によると、TAは米44州の高速道路沿いに約281カ所の施設を持ち、給油以外にもトラックのメンテナンス、レストラン、トラベルショップ、駐車場などのサービスを提供、これらが事業の利益率の70%を占めている。現在は1日当たり約15万バレルの石油を販売しており、その90%がディーゼル燃料。
TAのサービスは、BPの既存のコンビニエンス店事業およびモビリティー事業を補完し、EVの充電、バイオ燃料、再生可能天然ガス(RNG)、そして将来的には水素を含むサービスの拡大につながると見られている。
BPは、コンビニ、バイオエネルギー、EV充電への投資を拡大しており、2022年には低炭素燃料の成長を見込んで米バイオガス生産会社アーキア(Archaea、テキサス州)を41億ドルで買収したほか、最近では30年までに米国のEV充電事業に10億ドルを投資する計画を発表している。
バイデン政権は今月15日、全米のEV充電ネットワーク拡大を図って、TAが営業する地域で75億ドルの連邦資金を支出する新しい基準を発表した。
EVは世界中で急速に普及しているが、トラックについては電池技術がまだ限定的なため、BPは長期的にトラック用燃料として水素を提供する計画だ。コンビニもBPの5つの市場戦略の一つで、同社は30年までにこれらの成長分野に年間投資額の約半分を投入する目標を掲げている。BPの利払い税引き償却前利益(EBITDA)は、TA買収によって直ちに増加し、25年には約8億ドルに達する見通しだという。