Monday, October 24, 2016 10:15 AM

UPSの航空整備士、スト批准投票を開始

 宅配・航空貨物大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の航空整備士らは21日、ストライキ実施の是非を決める投票を開始した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、米トラック運転手組合(IBT=チームスター)は、スト入りすれば約1200人の整備士および補助要員に影響が及ぶと説明している。労使間では過去3年間、賃金や福利厚生をめぐり交渉が続けられてきたが妥結に至っていない。

 ただし、歳末商戦期のスト入りは回避される見通しだ。連邦労働法は交通と商取引の停滞を防ぐため、政府の承認なしでのスト決行を禁止している。

 チームスター2727支部のティム・ボイル支部長によると、UPS側から賃上げ案が提示されないまま交渉は今年3月に「暗礁に乗り上げた」という。今回の投票は11月11日まで実施され、結果は労使同席の調停委員会が開かれる同月14日に発表される。

 UPSで最後にストが決行されたのは1997年だが、UPSによると当時はトラック運転手も参加した。運転手は航空整備士とは別の労働関連法の支配下にある。

 組合のボイル氏によると、整備士の時給は同業のフェデックスより約5ドル低い50ドル程度。UPSは、整備士の年収は10万5000ドルで業界でも最高水準に入ると主張している。

 スト決行が可決された場合でも、政府が30日間の冷却期間を命じれば決行できない。政府は期間中に大統領緊急理事会の招集が可能で、理事会の勧告から30日間は組合が経済的措置に出ることができない。このほか、連邦議会にもスト決行に介入する権限が与えられている。