Wednesday, October 04, 2023 6:52 AM
経営破綻のローズタウン、元CEOに資産売却へ
6月に経営破綻した電気自動車(EV)メーカーのローズタウン・モーターズ(本拠オハイオ州)は、残った資産を投資会社LASキャピタルに1000万ドルで売却することに合意した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、この取引は裁判所の承認を経て10月末までに完了する予定となっている。LASキャピタルは、ローズタウンの創業者で元CEOのスティーブ・バーンズ氏が過半数株式を所有している。バーンズ氏は、取締役会の調査でローズタウンのピックアップトラック「エンデュランス」の予約注文に関する情報開示が不正確だったことが判明したため、2021年に退社している。
バーンズ氏とLASキャピタルは、電池やモーターの製造設備、知的財産、エンデュランスの完成車を含むローズタウンの資産の購入を申し出ている。工場自体は、21年に製造委託先の台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に売却されたため、今回の取引には含まれていない。
ローズタウンは、新興EVメーカーに対する投資熱が最高潮だった19年、オハイオ州ローズタウンにあった旧ゼネラル・モーターズ(GM)工場を2000万ドルで購入して注目され、20年後半には特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場した。バーンズ氏は当時、ローズタウンは約6億7500万ドルを調達したと話していたが、その後資金繰りに行き詰まり、生産開始にはもっと資金が必要だと述べた。
21年後半には鴻海が数カ月かけてローズタウン株式を購入することで合意し、この取引は資金難のローズタウンを活性化させる方法として期待されたが、23年になって鴻海が予定していた4700万ドルの株式購入を拒否したため頓挫した。その結果、ローズタウンは段階的に事業を縮小し、破産を申請するに至った。