Monday, October 16, 2023 7:01 AM

ERG、米電池材料メーカーにコバルト供給へ

 ルクセンブルク拠点の資源大手ユーラシアン・リソーシズ・グループ(ERG)は、2026年から5年間、米国の電気自動車(EV)用電池材料メーカー、イバリューション・エナジー(EVelution Energy、本社アリゾナ州ユマ)にコバルトを供給する。

 ロイターによると、米国ではジョー・バイデン大統領が導入したグリーンエネルギー業界に総額数十億ドルの税額控除を提供するインフレ削減法(IRA)により、EV用電池サプライチェーン(供給網)への投資が急増している。イバリューションはアリゾナで低炭素の工程による硫酸コバルト生産工場の建設を24年に開始する予定で、ERGは年間3000トンのコバルトを同社に供給する。工場は26年までに操業を始め、必要な電力は太陽光発電で賄う予定だ。

 ERGによると、現在米国にはコバルトを商業規模で加工できる施設はなく、世界の硫酸コバルトの70%以上は中国で生産されている。中国では世界のEV用電池と電池材料のほとんどが生産されている。

 水酸化コバルトは、蓄電池の正極に使われる硫酸コバルトを作りやすい。ERGはコンゴ民主共和国(DRC)で運営するメタルコル(Metalkol)プロジェクトから水酸化コバルトを調達する。