Wednesday, March 13, 2024 7:29 AM
ZF、サウスカロライナ工場に5億ドル投資〜ガソリン車にも対応
ZFは、電動車とガソリン車、乗用車と商用車のいずれにも対応できる変速機を年間数十万台製造することを目指して、サウスカロライナ州グレイコートの変速機工場に5億ドルを投資、400人の新規雇用を計画している。ZFはEV投資を行う一方、EV販売の伸びが鈍化する北米では事業のバランスも重視し、ガソリン車を生産する能力も確保しようとしている。
オートモーティブ・ニュースによると、向こう数年で新しい商品ラインを追加し、PHV向けの第4世代8速トランスミッション生産を開始する。変速装置はBMWの「7」シリーズや「X5」向けにドイツでも製造している。
ZFは21年、サウスカロライナ工場に2億ドルを投資すると発表、23年末に他の変速機と比較して最大10%の燃費削減が可能な商用車向け8速自動変速機「パワーライン」の生産を開始した。年間20万基の「パワーライン」製品を生産し、マイルドハイブリッドおよびPHV向けのバリエーションを米国の主要商用車メーカー3社に供給する。2025年からはグレイコートで第4世代のPHV用変速機を製造する。最大出力160kW、最大トルクは約332ポンドフィートで、前世代のほぼ2倍に相当する。生産には、コンベヤーシステムの代わりに自動搬送車(AGV)を使ってライン内で部品を移動させたり、新しい試験方法を採用する。
グレイコートの従業員は、内燃エンジン車、HV、EVに関係なく部品の加工ができるよう訓練を受けており、同工場は近い将来、他の工場プロジェクトの見本となる可能性がある。
また、米国政府が自動車や部品の現地生産を促進する新たな優遇措置や規則を導入するのに合わせ、ZFはサプライチェーン(供給網)の現地化を進めている。北米で調達する部品数を最大限に増やし、最終的に約80%を北米で調達したい考えだ。