Friday, April 19, 2024 7:41 AM
メキシコ、中国EV現地生産に優遇策適用せず〜米国の圧力で
メキシコ連邦政府は米国から圧力が掛かる中で、中国の自動車メーカーに優遇策を適用していない。匿名情報としてロイターが報じた。
メキシコは中国勢によるEVの現地生産に関して、公有地の低コストでの提供や減税といった優遇措置の適用を拒否している。関係するメキシコ当局者3人が匿名を条件に明らかにした。
当局者によると、1月に開かれた会合の際、メキシコ高官は比亜迪(BYD)の幹部に対し、他国の自動車メーカーを対象に実施した優遇策を適用しないと明言。今後は中国メーカーとの会合を休止することも伝えた。現在は、中国メーカー約20社がメキシコで自動車を販売しているが、現地生産は行っていない。
同当局者はまた、米通商代表部(USTR)による圧力があったと指摘。米国は、貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の域内から中国自動車メーカーを排除し続けたい考えだと説明した。
USTR当局者は圧力についてコメントしなかったが、USMCAは「われわれの市場に関税を支払わずにアクセスしようとする中国に裏口を提供する」仕組みではないとした。
中国の自動車メーカーがメキシコを利用しようとしているとの懸念が米国で強まっている。USMCAの現在の規則では、中国メーカーはメキシコに工場を作った上で、主要部材の75%以上をUSMCA域内で調達するなどの「原産地規則」を満たせば、米国の関税(27.5%)が免除されると見られている。