Friday, May 10, 2024 7:28 AM

ボルグワーナー、ポールスターにEV駆動系システム供給

 パワートレイン部品大手ボルグワーナー(BorgWarner、ミシガン州)は、ボルボ・カーズの高級EV部門ポールスターと欧州の大手自動車メーカー向けに、EV用の電動トルクベクタリング・ディスコネクト(eTVD)システムを初めて市場投入した。

 同社のプレスリリースによると、eTVDはボルグワーナーの電動トルク管理システム(eTMS)製品ラインアップの一つで、各輪に配分されるトルクを高度に制御して安定性を高め、優れた運動性能を実現し、発進・加速時のトラクション(駆動力)を増強するように設計されている。eTVDは現在、電動SUV「ポールスター3」に搭載されており、2024年後半には欧州の大手メーカー向けに生産を開始する予定。

 ボルグワーナーの副社長兼ドライブトレイン・バッテリーシステム社社長兼ゼネラルマネジャーのフォルカー・ベン(Volker Weng)氏は「今後ますますソフトウェア主体のモジュールや車両に市場が移る中、当社のeTVDのようにさまざまな状況下で車の挙動を正確かつ迅速に計算、予測、制御できる高度なシステムを導入することは非常に重要だ。試乗体験された顧客からは非常に好意的なフィードバックを得ている」と話した。

 高性能eTVDは、ディファレンシャルに代わる3-in-1システムで、トルクベクタリング(駆動力移動)とオンディマンド・ディスコネクト(切り離し)機能の両方を備える。ブレーキ制御ベースのシステムとは対照的に、トルクベクタリングは不必要なブレーキ介入を防止するため、ハーシュネスと振動を低減させます。さらにブレーキとタイヤの摩耗を減らし、摩耗粉排出量を減らすという利点にもつながる。

 EVの重量が増えると俊敏性が低下する可能性があるが、ボルグワーナーのeTVDシステムを使うことで、全体的な安全性向上と車両の大幅軽量化が可能になる。スマートな設計と直感的なソフトウェアにより、望ましくない運転特性のリスクを最小限に抑え、路面や天候の条件に関係なく優れたトラクションを実現する。

https://www.borgwarner.com/newsroom/press-releases/2024/05/02/borgwarner-supplies-polestar-bev-suvs-with-electric-torque-vectoring-and-disconnect-systems