Wednesday, October 26, 2016 10:19 AM
メキシコ市場、小型車需要急拡大で現地生産の好機
メキシコ国内で小型車の需要が急拡大し、自動車メーカーが続々と現地生産の態勢作りを進めている。
オートモーティブ・ニュースによると、メキシコの新車販売は1〜9月期、前年比19%増の過去最高を記録した。中心を構成しているのが小型車だ。購買層が比較的若い国内では、月々の支払いが低額なエントリーレベル車が販売されている。
現地の業界関係者は実際、人件費が安い輸出プラットフォームという役割だけがメキシコの魅力ではないと口を揃える。米国で人気がない小型セダンを中心に、現地で生産する車種の市場が拡大している。
メキシコ自動車販売業者協会(AMDA)によると、日産やフォルクスワーゲン(VW)、GMがけん引するサブコンパクト車は9月までの間に37%増、コンパクト車も24%増を記録した。特筆すべき点は、販売台数上位10車の大半が現地で生産されていることだ。
自動車メーカーでは、フォードが小型車生産のメキシコへの移管を発表したほか、起亜も北部に大規模な小型車工場を開設した。トヨタは11月に中部でカローラ生産工場を着工する。
メキシコは依然として、市場規模が米国の10分の1に満たない。それでもサブコンパクト以下の最小型車は9月までの間、米国の54万8000台に対して41万7000台と差が縮んでいる。
小型車人気と業界の関心拡大の理由には価格のほか、米国産中古車の輸入取り締まり強化が挙げられる。国内消費者はこのため、輸入車より安全性が高い車種を低価格で購入できるようになった。
AMDAのエドゥアルド・ソリス会長によると、業界は中南米のなかでも自動車の普及率が低い国内の状況を引き合いに、政府に購買者への税控除促進を働き掛けている。年間販売台数が200万台に達すれば、2つの新生産工場分に相当する投資が期待できる。