Tuesday, July 23, 2024 7:12 AM

英プロティーン、インホイールモーターの工業化で先行

 インホイールモーター(IWM)による電動システムを開発する英国拠点のプロティーン・エレクトリック(Protean Electric)は、性能、拡張性、価格面などを改善したIWM製品「ProteanDrive」の第5世代「ProteanDrive Pd18」の量産を開始し、この分野で大きな進歩を見せている。

 インホイールモーターはハブモーターとも呼ばれ、EVなどの駆動輪の近くまたは車輪内部に設置する電気モーター。

 エレクトリック・カーズ・リポートによると、「Pd18」は、世界を主導する優れた性能と完全統合型インバーターを提供し、全てが18インチ径のホイール内に収められ、あらゆる自動車およびモビリティー用途に対応できる。

 プロティーンは2023年7〜9月期に「Pd18」の生産を開始して以来、中国・天津市にある先進製造施設から世界中の自動車メーカーやモビリティー企業に出荷しており、24年初めには自動車産業の品質管理システムの国際規格IATF 16949の認証も取得した。「Pd18」は現在、世界規模で入手可能な最も成熟した最先端IWM製品となっており、自動車メーカーは車両スペースと人間工学、効率、安全性、性能の向上を通じて顧客に優れた体験を提供でき、利益率とシェアの向上も期待できる。

 技術の成熟やコストの低下に伴い、より多くの自動車メーカーがIWMの大規模な導入に向かっている。プロティーンのアンドリュー・ホワイトヘッドCEOは「IWMはEV産業の将来にとって極めて重要で、当社はPd18の量産によって市場の最前線に立つ。自動車メーカーは、ますます混雑するEV市場で製品の独自性を出すため、IWMを手頃な価格で大規模に採用できるようになる」と話している。

 第5世代の「Pd18」は、自動車業界の最高基準を満たすように設計、検証、製造されており、多様なホイールサイズ、トルク、出力能力に対応できる。統合型および分離型インバーターを提供し、現在は電圧400Vの製品が入手できるが、年内には800V製品も登場する予定。すでに英EVメーカー、ベデオ(BEDEO)のレトロフィット・ソリューション「Reborn Electric」や、商用車エンジニアリングのコンメット(ConMet、ワシントン州)のゼロエミッション冷凍トレーラー・ソリューション「Preset Plus Electric Hub」に使われている。