Monday, July 29, 2024 7:21 AM

トヨタなど5社、電動化目標クリアでも米国の新排ガス規制未達の恐れ

 トヨタなど米国での販売台数で上位を占める5社が、各社が掲げる電動化目標をクリアしたとしても米国環境保護局(EPA)の排ガス規制基準に届かない恐れがある。環境保護団体グリーンピースが各社の販売目標などを基に示した予測だと、ブルームバーグが伝えた。

 グリーンピースによると、販売目標に基づく32年のトヨタの平均二酸化炭素(CO2)排出量はEPAが示す新基準値の2.5倍、日産は同1.8倍となる。一方でホンダ、GM、フォードは8-12%の超過にとどまる。

 米国は3月、27-32年モデルを対象に当初案から基準値を緩和した自動車の排ガス規制を発表した。適合するためにはEVやPHV販売比率を大幅に引き上げる必要がある。

 日本勢は中長期的にはEVを拡充する方針。昨年のEV販売がわずか約10万4000台だったトヨタは26年に150万台、30年に350万台まで拡大する。今後、新しい基準に適合できない見通しとの確度が高まれば、目標引き上げを迫られる可能性もある。

 EPA規制では、平均CO2排出量の上限を27年モデルでは走行距離1マイル(約1.6キロメートル)当たり170グラム、32年モデルでは同85グラムまで引き下げることが求められている。EPAのロードマップによると、自動車各社は規制に適合するために、米国における32年のEV販売比率を最大56%、PHVを同13%まで引き上げる必要がある。

 大統領選で優勢が伝えられるトランプ氏は、EPA基準値の見直しや廃止に向かうとみられ、環境保護団体とは厳しく対峙するのは必至だ。