Thursday, August 01, 2024 7:34 AM

カスタムセルズ、グループ14からシリコン負極材を調達

 ドイツの電池メーカー、カスタムセルズ(Customcells)は、EV用電池向け先端シリコン材料製造のグループ14テクノロジーズ(Group14 Technologies、ワシントン州)からシリコン負極材料「SCC55」を購入する複数年の供給契約を締結した。

 エレクトライブによると、契約規模は3億ドルを超える見込みで、これでカスタムセルズは2030年以降も「SCC55」の大量調達が可能になる。

 ドイツ北部のイツェホーを拠点とするカスタムセルズは、この契約で米国での事業展開も視野に入れる。同社は米国に最大2メガワット時(GWh)の生産能力を持つ工場の建設を計画しており、3月には米市場参入に備えてミシガン州デトロイトに米国子会社を設立している。カスタムセルズとグループ14は、20年から協力関係にある。

 グループ14は最近、EVおよび電気航空分野の顧客と5件の供給契約を交わしたと表明したが、今回の発表でその顧客の一部がカスタムセルズとその自動車および航空分野顧客だと明らかになった。

 グループ14が開発した負極材「SCC55」は、純粋なシリコン負極材ではなく、グラファイト(黒鉛)の代わりにシリコンを使ったシリコン・カーボン複合材となっている。基本的に電池はシリコン使用量が増えるほどエネルギー密度が高まり、充電可能容量も増える。カスタムセルズは、4695型円筒形電池にシリコン含有量の高い材料を組み込んでいる。