Monday, October 07, 2024 7:06 AM
ピュアリチウム、ZVO正極材のディミエンを買収
垂直統合型のリチウム金属電池技術会社ピュア・リチウム(Pure Lithium、マサチューセッツ州)は、バナジウム正極材料の開発を手がける非上場企業ディミエン(Dimien、ニューヨーク州)を買収した。
グリーンカー・コングレスによると、ピュア・リチウムはディミエンの知的財産、ノウハウ、製造設備を取得し、経験豊富なチームを迎え入れてリチウムバナジウム酸化物(LVO)正極材を使った電池の開発を加速させる。
買収後、ディミエン創業者のブライアン・シュルツCEOは事業開発・技術担当副社長としてピュア・リチウムに加わる。ディミエンは、ゼータ酸化バナジウム(ZVO)として知られるバナジウムベースの正極材料を開発した。
ディミエンの高エネルギー密度バナジウム正極は、北米産の材料で作られ、ニッケル、コバルト、グラファイト(黒鉛)のような鉱物を使わない。これらの鉱物は米国の現在の法律上あまり好ましくない地域から調達されており、将来的に供給不足に陥る恐れがある。
ピュア・リチウムのエミリー・ボドインCEOは「当社は、コストを劇的に削減するリチウム金属電極製造技術を有しており、これとLVO電池技術を組み合わせて、性能と安全性でリチウムイオン電池をしのぐ次世代電池を市場に投入する。グラファイト、ニッケル、コバルトの排除は業界にとって画期的で、中国への依存を終わらせ、米国のサプライチェーン(供給網)の確実性を確保できるようになる」と話している。