Tuesday, October 29, 2024 6:53 AM

CATL、HV用電池フリーボイ発表〜世界初、大容量・急速充電を実現

 EV用電池の世界最大手、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)は、電気だけで航続距離400キロメートル(250マイル)超を実現し、4Cの超急速充電も備えた世界初のハイブリッド車(HV)用電池「フリーボイ・スーパーハイブリッド電池(Freevoy Super Hybrid Battery)」を発表した。

 エレクトレックによると、世界の主要自動車市場ではプラグインハイブリッド車(PHV)があらためて脚光を浴びているが、現在のPHV技術は常に充電が必要で、電池の充電速度は遅く、電気だけで走れる距離が短いといった欠点がある。しかし「フリーボイ電池」は1週間連続で通勤に使える航続距離を実現してドライバーを充電の必要性から解放する技術で、市場を一変させる可能性がある。

 また、超急速充電によってわずか10分で約175マイル(280km)分という驚異的な充電速度を実現し、航続距離不安の払拭にも効果的だ。

 CATLの新型電池は、正極材料の新しい表面改質技術と革新的な高電圧電解質の配合を組み合わせ、最新技術でナノ保護層を形成することにより、活性層内の副反応を効果的に最小限に抑えている。

 充電状態(SOC)の制御精度は40%向上し、CATLによると新しい電池によってHVの電力性能は20%向上するという。

 CATLの新型電池は、すでに理想汽車(Li Auto)、阿維塔科技(AVATR)、深藍 (DEEPAL)、長安Nevo(Changan Nevo)、NETAといったブランドの複数のモデルに搭載されており、2030年までにはボルボの親会社の吉利汽車(Geely)、奇瑞汽車(Chery)、広州汽車(GAC)、嵐図(VOYAH)といった大手自動車メーカーの30のHVモデルで使われる予定だ。