Wednesday, October 30, 2024 6:55 AM

ステランティス、米国で固体電池搭載EVの試験実施へ

 ステランティスは、2年以内に米国で固体電池を搭載したEVの路上試験を計画している。

 ブルームバーグによると、同社は実証車両として、新興電池メーカー、ファクトリアル・エナジー(Factorial Energy、マサチューセッツ州)製の固体電池を搭載したEV「ダッジ・チャージャー・デイトナ」を使う予定。

 ファクトリアルのシユ・フアンCEOは「彼らが現実の環境でテストするための非常に重要なステップ」と話し、同社は早ければ2029年に固体電池の量産開始を目指しているという。

 固体電池は、従来のリチウムイオン電池の電解液とセパレーター(どちらも可燃性)を、セラミック、ガラス、ポリマーなどでできた固体セパレーターに置き換えた電池で、充電時間の短縮、航続距離の延長、火災の危険性の排除などが期待されている。しかし、固体電池を搭載したEVの販売を開始した自動車メーカーはまだなく、試験の範囲や規模も限られている。

 ステランティスは以前、26年に固体電池を導入する計画を発表したが、詳細は明らかにしていない。今回明らかになった走行試験も実施する場所や規模は不明だが、ダッジを皮切りに同社の他のブランドにも拡大される。

 ファクトリアルには、ステランティスのほかメルセデス・ベンツ・グループなどが出資しており、同社の最新型電池の重量エネルギー密度は1キログラム当たり390ワット時(Wh/kg)以上と、中国の電池大手・寧徳時代新能源科技(CATL)が23年に発表した高性能電池「麒麟(Qilin)」よりも高い。

 業界では、フォルクスワーゲン(VW)が今年初め、提携するクアンタムスケープの固体電池を搭載した試作車で良好な結果を得たと発表しており、中国の比亜迪(BYD)や日産、トヨタなども独自に固体電池技術の開発に取り組んでいる。