Tuesday, November 19, 2024 9:10 AM

TDK、フォーミュラEでマクラーレンと提携

 電気自動車(EV)分野への事業拡張を目指すTDKは、電動フォーミュラカーレース「フォーミュラE」のマクラーレン・レーシングと提携した。

 ロイターによると、TDKはかつてカセットテープで知られたが、現在はスマートフォン向け小型電池の世界最大手で、アップルのサプライヤーでもある。近年はコンデンサー、インダクターなどパッシブコンポーネント(受動部品)とセンサー事業を伸ばし、EVサプライチェーンにおける存在感確立を目指している。

 同社の技術はマクラーレンが使用する日産のレース車両「e-4ORCE 05」に採用されており、TDKはインバーターやセンサーといった部品の供給も視野に入れているという。TDK電子部品事業カンパニーの生嶋太郎CEOは「フォーミュラEの技術は常にEVの最先端であり、われわれの技術を磨くためにも当社の部品を活用してもらいたい」と語った。

 1935年設立のTDKは現在、総売上高のほぼ4分の1が自動車関連製品で、セラミックコンデンサーや温度センサーといった部品のシェアが最大となっている。

 カーレースファンの多くは内燃エンジンの特徴的な音に魅了されているが、フォーミュラEへの関心も高まっている。トヨタの豊田章男会長は、EVの世界シェアは30%でピークに達すると見ており、プラグインハイブリッド車(PHV)と完全EVは、それぞれガソリン車より60%、100%多く積層セラミックチップコンデンサーを使用するため、TDKは大きな商機があると見ている。

 生嶋CEOは「安全性、耐久性、長寿命は自動車にとって非常に重要な要素で、他の産業にも応用できる」と述べた。