Thursday, November 21, 2024 5:57 AM

ピエモントとサヨナが合併〜北米最大のリチウム生産業者に

 リチウム資源開発会社ピエモント・リチウム(Piedmont Lithium、ノースカロライナ州)とオーストラリア拠点の同業サヨナ・マイニング(Sayona Mining)が合併を発表した。

 オートモーティブ・ニュースによると、サヨナがピエモントを買収する形だが、両社の株主がそれぞれ新会社の株式50%を保有する対等合併。両社はこの結果、北米最大のリチウム生産会社が誕生すると話している。合併後の新会社はバランスシートが改善されるほか、戦略的柔軟性が増し、運営が合理化されるという。

 合併後の本社はオーストラリアに置かれ、ノースカロライナのピエモント本社も存続する。

 新会社は、数少ない北米のリチウム鉱山の一つであるカナダ・ケベック州ラコルヌのノース・アメリカン・リチウム(NAL)の全権を握ることになる。州北西部にある同鉱山は、2023年3月にスポジュメン精鉱の生産を開始し、リチウムを多く含むこの原料をEV大手テスラや電池大手LG化学などに出荷している。

 両社は、合併によって長期供給契約の経済性が改善され、顧客への出荷における契約上の複雑さが解消されるとみている。また、統合による事業規模の拡大で、NAL事業拡大の見通しも改善されるという。合併手続きは、株主と規制当局の承認を経て25年上半期には完了する見込み。

 供給過剰とEV販売の停滞がリチウム価格の足かせとなる中、リチウム市場では大型合併が続いている。10月上旬には豪英鉱業大手リオティントがリチウム化学メーカーのアルカディウムリチウム(Arcadium Lithium、ペンシルベニア州)を67億ドルで買収すると発表した。