Monday, December 02, 2024 6:20 AM
VW傘下パワーコ、ノボニクスと黒鉛の長期供給契約
フォルクスワーゲン(VW)グループの電池子会社パワーコは、カナダと米国で黒鉛を製造する新興企業ノボニクスと5年間の供給契約を締結した。
オートモーティブ・ニュースによると、契約は2027年に発効し、31年まで続く。供給規模は3万2000トン超に上り、ノボニクスにとっては最新の大口契約となる。EV用電池の負極に不可欠な黒鉛の供給確保はパワーコの成長計画の一部で、同社は欧州と北米に根ざした強固で持続可能な電池サプライチェーン(供給網)の構築を目指している。
22年にVWの独立子会社として設立されたパワーコは、欧州と北米に三つの電池工場建設を計画しており、すでに独ザルツギッターとスペインのバレンシアでは建設が進められている。もう1カ所はカナダのオンタリオ州セントトーマスで、24年を通じて準備作業が進められている。
今回の供給契約は、今春に両社が交わした開発合意に続く動き。ノボニクスは11月初め、ステランティスとのオフテイク契約も発表している。
ノボニクスは、17年にオーストラリアのブリスベンを拠点とする黒鉛採掘業者と合併したため本社をオーストラリアに置いているが、起源はカナダのハリファックスで、カナダと米国で事業展開している。もともと13年にカナダ・ダルハウジー大学のリチウムイオン電池研究室からスピンオフし、カナダ東海岸に重要な電池試験事業を維持しており、負極事業の拠点は米国。
25年にはテネシー州チャタヌーガのリバーサイド工場で商業生産を開始する予定で、フル稼働すれば年間2万トンの黒鉛原料を生産できるようになる。また米国南東部で、年間7万5000トンの生産能力を持つ第2の生産拠点の計画も進めている。