Monday, February 10, 2025 6:15 AM
フォード、今年はEV部門で最大55億ドルの赤字見通し
フォードは今年のEV・ソフトウエア部門が最大55億ドルの赤字を計上するとの見通しを示した。赤字額は昨年並みで、EV事業のコスト節減に苦戦を強いられている。今年全体の業績は黒字を確保する見込みだが、黒字額は昨年を下回る。
ジム・ファーリーCEOは昨年、EV生産計画を大幅に縮小し、HVに重点を移している。昨年の販売台数はEVが9万7865台、HVは18万7426台とほぼ2倍に達した。
フォードの昨年第4・四半期決算は、売上高が482億ドル、調整後1株利益が0.39ドルでアナリスト予想を上回った。純損益は前年同期の5億ドルの赤字から18億ドルの黒字に転じた。今年の利払い・税引き前利益(EBIT)は70億-85億ドルと想定されている。昨年は102億ドルだった。
フォードの次期最高財務責任者(CFO)のシェリー・ハウス氏によると、EV部門の赤字には将来のモデルへの多額の投資が含まれている。同社は14億ドルのコスト削減を進めながら販売台数を増やす計画だ。
CFRAリサーチのアナリスト、ギャレット・ネルソン氏は「GMのようにバッテリーEVに注力している企業とは対照的にフォードは、マルチパワートレイン・アプローチを採用しているため、米政府によるEV税額控除廃止による影響が軽減されるはずだ」と述べた。自動車大手の中でフォードが最も関税の影響を受けにくいとアナリストは指摘する。GMとステランティスは、より収益性の高い自動車の国外生産がフォードより多い。メキシコへの関税は、同国で組み立てられているピックアップトラック「マーベリック」や手頃な価格の「ブロンコ・スポーツ」などに影響を与える。