Thursday, February 20, 2025 6:09 AM
コンチネンタル、水素燃料電池車向け新冷却ラインを開発
コンチネンタルは、冷媒回路へのイオンの浸透を大幅に減らす商用燃料電池車(FCV)の水素パワートレイン用冷却ラインを開発した。
グリーンカー・コングレスによると、ラインからのイオンの浸出を大幅に減らす特殊な材料を含む合成ゴムでできているため、冷却回路へのイオンの移行が低減し、水素駆動システムの車両コンポーネントの耐用年数が伸びる。
ライン材料から出たイオンが冷却回路に入ると、例えばプロトン交換膜(PEM)を損傷し、その寿命を縮めるなど材料の劣化につながり、その結果効率が低下し、燃料電池のショートや電流漏れのリスクが高まる。
コンチネンタルが使っているのは、高性能EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)をベースにした特殊な混合ゴムで、イオンの溶出に対する高い耐性を備えている。
バス・トラック所有者や商用車メーカーの多くは、化石燃料からの脱却の一部として水素を使った駆動システムに期待を寄せているが、まだ課題は多い。水素分子の密度が極めて低いことも状況を難しくしており、コンチテック事業エリアOESLのハラルド・クライドナー研究開発責任者は「浸透抵抗性、帯電防止、高圧の要件が難しく、私たちは材料に関する専門知識を結集して、水素パワートレインに使用されるエラストマー、熱可塑性プラスチック、金属を調整している」と話す。
原子の中で最も小さい水素原子が二つ結合した水素分子は、地球上で最も小さく最も密度が低い。また非常に軽く揮発性が高いため、従来のラインでは漏れを防ぐ障壁を作れない。コンチネンタルは、低密度でも水素分子の放出を防ぐ熱可塑性バリア層を備えたホース構造でこの課題に取り組んでいる。
このホースによって、水素輸送ラインでは水素と空気の混合物が発生して可燃性が高まる可能性を最小限に抑えられ、車の安全な運転が保証される。さらに、燃料の損失が減るため、FCVの航続距離が延びる。