Thursday, October 27, 2016 10:59 AM

レストランのランチ客が減少〜価格設定が高すぎ

 レストランで昼食を取る人が減っており、最近の値上げがこの流れに拍車を掛けている。

 飲食業界情報バーガービジネス・コムによると、市場調査NPDグループの調べでは、食品サービス業界における利用者の33%は昼食客が占めるが、客足は過去2四半期連続で減少しており、16年4〜6月期は前年同期比4%減(週末は7%減)となった。夕食客は1%減、朝食客は1%増だった。

 NPDはこの理由を「在宅勤務とオンライン・ショッピングの増加で外食やおやつ休憩の機会が減り、昼食客の減少につながっていたが、最近のメニューの値上げでさらに客足が減った」と分析。特に、昼食客が前年比で6%減少したカジュアル・ダイニング、9%減少したファスト・カジュアルの部門では、多くの店が昼食としては高すぎる価格設定をしていると指摘する。

 NPDの価格分析によると、消費者が最も満足し、最も来店する可能性が高まる価格水準は値ごろ感があって何度も食べに来られると感じる値段だが、4〜6月期はランチ客の平均単価が前年比で5%増えたレストランもあり、消費者にとって最適の水準を超えて客の満足度や来店意欲が低下した。

 クイックサービスレストラン(QSR)業界でバーガーチェーンの値引きを利用しているのは消費者の4人に1人にとどまり、値引きを除外するとQSRにおけるランチの平均単価は8ドルで、ほとんどの人が手早く食べる昼食に払いたいと思う額を上回っている。

 NPDのレストラン業界アナリストは「従来消費者は、外で食べる昼食に時間とお金、エネルギーをあまり費やしたくないと思っており、客足の減少をみると、現在は明らかにランチの価格が需要に合致していない」と指摘する。