Thursday, March 06, 2025 6:06 AM
トヨタ、電動化移行は「時間通り」推進中
トヨタは、電動化への移行を慎重かつ着実に進めることが最適な方針だとし、全固体電池の導入やテスラ式のギガキャスティング(巨大なプレス機による大型部品の製造)工程の採用に向けた準備を進めている。
オートモーティブ・ニュースによると、トヨタ欧州部門の収益管理責任者アンドレ・シュミット氏は「トヨタはEVでそんなに遅れている訳ではなく、むしろ時間通りに進んでいる」と述べた。
トヨタは、3月12日に欧州市場向けの2人乗り電動クロスオーバーを発表する予定で、2026年までには欧州のEVラインを6車種に拡大する計画を発表している。シュミット氏は「内燃エンジンが終わる日はない」とも考えている。
トヨタの2024年の欧州におけるEV販売台数は、前年比36%増の2万6294台(データフォース調べ)だったが、EV比率は3.6%とわずかで、業界全体の15.3%を大きく下回る。トヨタは2025年に欧州のEV比率を20-25%に引き上げ、欧州連合(EU)の厳格な排ガス規制に対応する方針。また、排ガス基準に達しなかった場合の罰則を回避するため、ステランティス、フォード、マツダ、スバルも含む枠組みでテスラから二酸化炭素(CO2)クレジット(排出権)を購入する。
さらにトヨタは、テスラが先駆けとなったギガキャスティングを採用し、将来の生産プロセスを見直す計画だ。シュミット氏によると、この手法を用いて車体の大部分をダイカスト成形し、組立時間の短縮を図る。
ギガキャスティングは、ボルボ、日産、フォード、現代なども活用中または導入を計画しているが、ステランティスは「導入には利点がない」との立場を示している。
全固体電池に関しては、航続距離の延長、充電時間の短縮、車両重量の軽量化を実現するため、2028年から車両に搭載する方針で、全固体電池を搭載したEVの「限定生産」を開始する予定。