Monday, September 15, 2025 6:52 AM

プロティーン、新型ハブモーター発表〜220kW、26年から量産

 インホイールモーター(IWM)による電動システムを開発する英プロティーン・エレクトリック(Protean Electric)は、独ミュンヘンで開催された国際自動車ショー「IAAモビリティー」で、IWM製品「ProteanDrive」の最新世代「Pm18 2500」を発表した。

 エレクトライブによると、ホイール1個当たりの出力は220キロワット(kW)、トルクは2500ニュートンメートル(Nm)で、2026年から量産を開始する予定。価格は、車軸にモーターを組み込む従来の電動アクスル方式より高くはならない見込み。

 ホイールハブモーターとも呼ばれるIWMには、中間ギヤやドライブシャフトが必要ないという利点があり、モーター、ブレーキ、パワーエレクトロニクスはすべてホイール内のコンパクトなユニットに収まり、トルクベクタリング(各ホイールへの駆動力の最適な配分)機能の実装も容易になる。一方で、冷却が難しい、タイヤのばね下重量が増える、といった欠点もある。

 これまで量産車にIWMを採用した自動車メーカーはなかったが、プロティーンによると欧州のある自動車メーカーが26年から電動スポーツカーにこの技術を採用する計画だという。

 220kWの出力に加え、最低でも2輪、多ければ4輪に搭載される可能性が高く、システム全体の性能は大幅に高まる見込みで、時速0〜100キロメートル(km/h)の加速がわずか3秒未満というスポーツカー的な走行性能も実現できるという。これでプロティーンは、量産可能な高性能インホイールモーターを乗用車に供給する初のサプライヤーになる。

 同社によると、IWMは価格面で電動アクスルと同等なだけでなく、部品数が減り従来のパワートレイン要素が不要になるため車両製造コストも下げられる。既存のプラットフォームにも容易に統合でき、新規プラットフォームではモジュール性の向上、省スペース化、効率改善、一層の高性能化が期待できる。