Monday, September 15, 2025 6:52 AM

ボリンジャー、製造を自社工場に移行〜人員削減なども実施

 経営難の電動トラックメーカー、ボリンジャー・イノベーションズ(Bollinger Innovations、ミシガン州)は、クラス4(中型)トラックの生産を、デトロイト郊外の受託製造業者ラウシュ・エンタープライズからミシシッピ州タニカにある自社工場に移すと発表した。また、カリフォルニア州とインディアナ州の施設や人員を削減し、研究開発費も削って資金流出の抑制を図る。

 オートモーティブ・ニュースによると、デイビッド・ミチェリーCEOはこうした動きによる経営合理化を強調しているが、内製化は高コストかつ複雑な作業で、業界関係者からは立ち上げ直後の実施を疑問視する声も出ている。

 ボリンジャーは、この7月にマレン・オートモーティブとボリンジャー・モーターズが統合して誕生したが、米国でEV需要が減退し、販売を下支えしてきた連邦税控除が撤廃される中、財務のひっ迫でナスダック上場廃止のリスクに直面している。株価は低迷し、時価総額は上場基準の最低額3500万ドルを下回る状況で、現在は証券取引委員会(SEC)の判断を待つ段階にある。

 創業者ロバート・ボリンジャー氏への1100万ドルのローン返済をこの6月に終えたことで管財人の管理からは脱したが、ボリンジャーは依然として500万ドル超の未払い金をめぐり複数のサプライヤーから訴訟を起こされている。ラウシュは原告に含まれていないが、両社の現在の関係性は不明。