Thursday, December 18, 2025 6:51 AM

ルミナーが経営破綻〜ボルボ向け供給打ち切りで打撃

 自動運転車(AV)用ライダー(光検知・測距装置)開発のルミナー・テクノロジーズ(Luminar Technologies、フロリダ州)は、ボルボが同社技術の採用を取りやめたことで深刻な打撃を受け、テキサス州南部地区の連邦破産裁判所に連邦破産法11条に基づく経営再建手続きの適用を申請した。

 オートモーティブ・ニュースによると、申立書には、資産は1億〜5億ドル、負債は5億〜10億ドルと記載されている。ボルボはルミナーに、2026年4月以降は電動SUVの旗艦モデル「EX90」および旗艦EVセダン「ES90」で同社のライダーシステムを使用しないと通知したが、その後すでにルミナーのライダーを搭載せず両モデルを生産していることを明らかにしており、ルミナーはこれに対する損害賠償請求を行ったいう。

 今回の申請に先立ち、ルミナーは子会社であるルミナー・セミコンダクターの株式をクアンタム・コンピューティングに現金1億1000万ドルで売却する契約を交わしたが、この株式売却は連邦破産法363条に基づく売却手続きの一部として、より高いまたはより有利な買収提案が出た場合には変更される可能性があるという。

 ルミナーは、自動運転システムで使われるライダーの製造事業自体の売却も模索している。これらの取引を円滑に進め、再建手続きを資金面で支え、売却プロセス中の事業運営を維持するため、同社の第一順位担保付社債の91.3%および第二順位担保付社債の約85.9%を代表する臨時債権者グループは、キャッシュ・コラテラル命令に基づき約2500万ドルの現金使用に同意したという。

 ルミナーのライダーは多くのAVで使われており、経営再建手続き中も事業の運営は継続する。同社はサプライヤーやパートナーと協力して混乱を最小限に抑え、ライダーのハードウェア/ソフトウェア供給を維持する方針だ。