Thursday, May 07, 2026 7:28 AM

中東混乱によるアルミ不足で、日本の自動車がピンチに

 イラン情勢の緊迫化で、自動車部品用アルミニウムの調達リスクが高まっている。中東への依存度が高い日本にとって、代替調達の確保は待ったなしの課題となっている。ブルームバーグが報じた。

 日本は25年に中東から約59万トンのアルミを輸入しており、特に、国内自動車メーカーはアルミ輸入の70%を中東に依存している。サプライチェーンが途絶えれば、国内製造業への影響は大きい。

 日本アルミニウム協会企画部門長の飯田康二氏は、特に懸念されるのが在庫余力の乏しい中小メーカーへの影響だと指摘。「長引けば大変な影響が出るという印象を受けている」と話した。自工会会長でトヨタ自動車副会長の佐藤恒治氏も3月下旬、中東情勢の混乱で物流や材料調達に徐々に影響が出ていると明らかにしていた。特に中東依存度が高いナフサとアルミについて、混乱が長引けば「材料調達上の課題は出てくる」と述べた。

 通常、約2カ月分の部品や原材料在庫を抱えている日本のメーカーやサプライヤーは、4月下旬から5月初旬にかけて徐々に深刻な事態に見舞われる。米国とイランは停戦協議に入ろうとしているが、ホルムズ海峡が開放されても、供給はすぐには回復しない。精錬所の再稼働には時間がかかるほか、ペルシャ湾に滞留する数百隻の船舶による物流のボトルネック解消にも時間を要するため、供給制約は数カ月続く可能性が高い。JPモルガン・チェースのアナリストは、業界は容易には抜け出せない「ブラックホール」に入ったと警告した。

 海峡封鎖によるサプライチェーンの寸断に加え、主要な精錬所も操業停止している。こうした状況を背景に、ロンドン金属取引所におけるアルミ先物価格は戦闘が始まって以来、約13%上昇した。攻撃を受けた2施設の年間生産能力は合計320万トンで、湾岸協力会議(GCC)諸国全体の生産量は600万トン超にのぼる。

 イランのミサイル・無人機攻撃を受けて大きな被害を受けたアラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ・グローバル・アルミニウム(EGA)は、中東最大のアルミ生産業者だ。同社は、攻撃を受けたアル・タウィーラ製錬所の完全復旧には、最長で1年を要すると明らかにした。