Tuesday, June 02, 2026 7:29 AM
「AI定義車」への対応力で、次の10年の勝者が決まる
自動車業界では今後、ソフトウェアが利益と顧客体験を左右する最大の要因になると見られているが、ソフトウェアの提供能力はメーカーによってかなりのばらつきがあるという調査結果が発表された。オートモーティブ・ニュースが伝えた。
◇すでに大きな格差
調査は、VW、メルセデス・ベンツ、BMW、ステランティス、トヨタ、テスラ、上海蔚来汽車(NIO)、比亜迪(BYD)、吉利汽車(ジーリー)、小鵬汽車(シャオペン)を対象に行われた。実施主体のコンサルティング大手アクセンチュアとドイツの調査機関、自動車経営センター(CAM)によると、一部の自動車メーカーがすでに統合型ソフトウェア定義車(SDV)プラットフォームを運用し、頻繁なソフト更新や自前の人工知能(AI)開発を進めているのに対し、多くはまだ断片的な仕組みを使っており、大規模展開が遅く、一貫性にも欠けている。
メーカー各社のソフトウェア能力は、無線更新の頻度や信頼性、迅速な新機能展開、さらに継続的なソフト改善によるレベル3・レベル4自動運転への対応力につながる。調査報告書は「自動車産業の将来は、ソフトウェアの品質、データアーキテクチャーの強さ、そしてAIを大規模運用する能力によって決まる」と指摘した。
SDV関連の収入は、市場全体で2030年に400億ユーロ、35年には1150億ユーロに拡大し、1台当たり平均収入も現在の75ユーロから400ユーロへ増加すると予想される。ただし戦略によって各社の将来は分かれ、SDV分野で先行するメーカーは、サブスクリプション(継続課金制)、自動運転機能、電子商取引(EC)を通じて市場を支配するが、出遅れる企業は製造コストで競争するしかない「コモディティー化したハードウェア供給業者」になると、報告書は警告している。
ソフトウェア中心の車両設計を象徴する例は、BMWの次世代EV「ノイエ・クラッセ」だ。また、テスラの「モデルS」は初期の本格SDVとして車載ソフトの無線更新を主導しており、今後はリビアンの「R2/R3」や量販EVなどにも高度なSDV機能が広がる見通しとなっている。