Wednesday, November 02, 2016 10:53 AM

スーパーの在庫管理、今も半数が店長の勘頼り

 ビッグデータの時代と言われる現在も、スーパーマーケットの在庫管理はほぼ半分が店長の勘で行われていることが、ドイツの小売り関連技術企業ブルー・ヨンダー(Blue Yonder、)の調査で分かった。

 ワシントン・ポストによると、小売業界では、ビッグデータを使って在庫の管理、補充、価格設定に伴う作業や手順を自動化すればこれまでにない高い精度で業務を管理できると考えられている。しかし、ブルー・ヨンダーが米国、英国、ドイツ、フランスのスーパー店長750人を対象に実施した調査では、46%が「在庫の補充は手で行っている」と答えた。

 さらに46%は「手順は自動化されているが店長によって手動に変えられる」と答え、オートメーションに頼ることへのためらいがうかがわれた。48%は「在庫管理は勘に頼っている」と答えており、25%は客が求める速さに追いついていないと感じている。

 近年、市場ではスピードと簡便性が求められ、在庫が切れて品ぞろえの薄い店に対する客の許容度は低い。 客を失うことは非自動化につきまとう危険性の1つにすぎず、その他のコストも発生する。

 ブルー・ヨンダーよると、スーパー業界は英国だけで毎年400万トンの食料を無駄にしていることが分かっており、収益性の低さで知られる業界にとって多大なコストとなっている。オートメーションやインフォームド・プライシングを導入すれば、特に古くなったまたは傷のある商品に関してはこうしたコストを削減できる。

 最近は米オンライン小売り最大手アマゾンが実店舗の食料雑貨事業に参入するといううわさも浮上し、小規模スーパーを取り巻く圧力は高まっている。アマゾンでは在庫管理者が勘に頼ることは考えにくく、データとオートメーションを活用する可能性が高い。