Wednesday, November 30, 2016 10:19 AM

米部品業界、低迷期入りを予見

 自動車部品業界が北米市場に対し、過去4年間で最も悲観的な見通しを抱いていることが分かった。

 オートモーティブ・ニュースによると、米部品工業会(OESA)が10月に加盟企業430社を対象に実施した調査では、見通しを示す指数が7月調査の50から48に低下し、東日本大震災を受けて生産活動が停滞した2012年以来の低水準となった。

 OESAの筆頭エコノミストであるチャールズ・チェスブロウ氏は、業界が「悲観的なカテゴリーに入った。50を下回ったことは、自社事業の見通しに対するサプライヤーのネガティブな見方を示している」と説明した。06年以降3カ月ごとに実施されている調査では、指数が13年から継続的に低下している。

 悲観的な見方には3つの要因がある。1つ目として、サプライヤーは消費者の倹約嗜好が強まり、一般経済に期待ほどの活気がないと感じている。2つ目として、サプライヤーによっては供給車種の売り上げが低迷したことで業績が打撃を受け、ほぼ全車種の販売が好調だった13年以降と著しい対照をなしている。3つ目は米大統領選で、新政権が北米自由貿易協定(NAFTA)に及ぼす影響を懸念している。

 サプライヤーの間では、需要に見合うだけの労働者やエンジニアの不足への危惧があったが、最新調査では懸念が和らいだ。