Monday, December 12, 2016 10:30 AM
超音速旅客機の実現に前進〜コロラド企業、来年試験へ
新興企業ブーム・テクノロジー(Boom Technology、コロラド州)が進める超音速ジェット旅客機開発計画で、このほどハネウェル・インターナショナルが航空電子機器の供給に合意した。米国の東西海岸を現在の半分の時間で移動できる高速ファーストクラス機の実現に一歩近づいた。
ウォールストリート・ジャーナルによると、「XB-1」と呼ばれるブームの超音速機は、かつて運航されたコンコルドより10%速く、エンジンを3基搭載し、座席は40席余りとなる。同社は今回、実物の3分の1の大きさの実験機「XB-1 ベビー・ブーム」を公開し、2017年に実験飛行を始めると発表した。順調に行けば、20年代初頭にはハネウェルの操縦システム、GE製エンジンを備えたフルサイズ版の運航が始まる可能性がある。
XB-1実験機は、針のようにとがった先端、後退翼、炭素繊維製の細い機体など見た目は戦闘機風で、操縦士と試験技師が1人ずつ座れるスペースがある。最終完成予想図によると、客席の左右には船の舷窓のような楕円形の窓が並び、座席は両側に1列ずつ。
XB-1の開発コストは10億ドルを超える可能性があるが、ブームは複数のベンチャー投資基金の支援を受けており、認可済みのさまざまな技術を取り入れるという異例の進め方を導入している。ただ、将来の資金繰りに不透明さが残るほか規制面の課題も残っており、日程に余裕がないため不測の事態が起きれば完成が遅れる可能性もある。
超音速旅客機の開発は他社も取り組んでおり、ブームより資金が潤沢な企業もあるが、ブレイク・ショール最高経営責任者(CEO)によると最も実現に近いのはブームで、社用ジェットがない旅客に通常のファーストクラスと同等の料金で超音速飛行を提供することを想定した大規模計画はブームだけという。