Friday, July 08, 2016 10:27 AM

改憲、議員任期延長が浮上 自民、参院選後論議で優先

 自民党が参院選後の本格化を目指す憲法改正論議で、大規模災害が国政選挙と重なった場合などに国会議員の任期延長を認める項目の新設を優先的に議論する案が浮上していることが8日、分かった。与党幹部が明らかにした。任期延長は、自民党が改憲草案に明記した「緊急事態条項」の一つ。議員の未選出が国政に与える影響を考慮した。各党の賛同を得やすいとの判断が背景にある。

 一方、憲法は緊急時対応として参院の「緊急集会」を規定。仮に同時期に衆参両院の選挙が行われる場合でも、非改選の参院議員が残っていることから、任期延長は不要との反対論がある。任期延長が、他の条文の改正に道を開きかねないと警戒する声も出ている。

 自公両党は、改憲の国会発議に必要な「3分の2」を衆院で確保。共同通信の参院選情勢調査では、改憲勢力が3分の2に届く見通しが強まっている。安倍晋三首相は参院選結果を踏まえ、秋の臨時国会で衆参両院憲法審査会を本格始動させたい意向だが、野党第1党の民進党は安倍政権下の改憲に反対。議論開始がずれ込む可能性もある。(共同)