Friday, March 10, 2017 11:02 AM

中国、THAAD撤回狙う 米国、対北朝鮮で動揺懸念

 韓国の朴槿恵大統領が罷免されたのを受け、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に反対する中国は、次期政権に配備を撤回させるため働き掛けを強める考えだ。核・ミサイル開発で国際的孤立を深める北朝鮮も韓国の政権交代に活路を見いだす構え。米国は、対北朝鮮の圧力強化で日本や韓国との足並みの乱れを懸念する。

 2013年の朴政権発足当初は「蜜月」と称された中韓の関係は、THAAD配備決定で急速に悪化した。中国の王毅外相は8日の記者会見で、THAADのレーダー探知範囲は朝鮮半島をはるかに超えており、中国の戦略上の安全を損なうと主張。「韓国に配備中止を求める」と強く批判した。

 THAADの装備の一部は既に韓国に到着し1〜2カ月以内に運用が始まる見通し。だが中国は「導入は朴政権の理念と利益によって決定した」(中国の韓国研究者)とみており、5月にも行われる大統領選で韓国の政権が交代すれば配備を撤回する可能性はあるとみている。(共同)