Thursday, December 11, 2025 6:28 AM

ベバスト、EV向け3-in-1熱管理技術を発表

 ルーフシステムやヒーターなどで知られる独ベバスト(Webasto)は、EV向けの新しい800ボルト(V)熱管理ソリューションを発表した。

 エレクトライブによると、同社が「ヒーテッド・チラー(Heated Chiller)」と説明する新技術は、従来の冷却用チラー機能、アクティブな(加熱装置による)電池の温度制御、そして車内暖房という三つの機能を単一の装置に統合した3-in-1システムで、現代のEVの熱要件を満たすよう設計されている。

 ベバストは「従来型の車両アーキテクチャーでは、複数の独立した熱関連コンポーネントをそれぞれの系統に設置・接続・制御する必要があり、専用の配管、制御機器、シール部分が個別に必要となる。この結果必要なスペース、重量、故障のリスクが増加する」と説明。ヒーテッド・チラーはこれら複数の部品を単一の800V電圧システムに置き換えることによって、コスト、複雑性、材料の使用量を削減する。

 削減効果の具体的な数値は示されていないが、電池を素早く最適温度に調整することで「電池寿命が延び、航続距離が改善する」ことは確認されており、これは最終ユーザーにとって極端な気象条件下でも高い快適性が得られることを意味する。