Friday, December 12, 2025 6:47 AM

日産、テネシーでHV用パワートレイン製造へ

 日産はテネシー州デカード工場でHV用パワートレイン製造を検討している。

 オートモーティブ・ニュースによると、日産は23年、工場を内燃エンジンからEV用のモーターやコンポーネントの生産拠点に転換するため2億5000万ドルを投じると発表していた。需要の冷え込みでEV戦略を凍結し、エンジンで発電してモーターで走るHV用パワートレイン「e-Power」生産の検討を始めた。決断は26年初めに下される予定で、早ければ28年にも生産が始まる。日産アメリカズのクリスチャン・ムニエ会長は「計画を推している」と語った。

 米国でのHV投入が遅れた日産は、最も人気の高いクロスオーバー車「ローグ」にe-Powerを搭載する。28年にはローグのインフィニティ版に e-Powerを拡大する。新型ローグはガソリンエンジンとe-Powerバージョンが提供されるが、幹部は数年以内に大半がe-Powerになると予測。次期ローグの100%がHVになる可能性もあるとし、28年4月〜29年3月に最大14万台のe-Powerコンパクトクロスオーバーの生産を考えている。

 パワートレインは当面、日本から輸入されるが、ムニエ会長は、米国生産を地政学的変動へのリスク対策、稼働率が低下している工場の活性化につながると考えており、関税負担の削減および為替変動や海外の供給中断からの防御にもなる。

 デカード工場でe-Powerを生産すれば長期的にはコスト削減になるが、新しいツーリング、ラインの再設計、日本での生産を維持しつつ米国の部品調達基盤を構築することなどが必要で、多額の初期投資が求められる。