Thursday, July 14, 2016 10:27 AM
政府「岩でなく島」 沖ノ鳥、権益保護へ
政府は波による浸食が進む東京都・沖ノ鳥島に関し「岩でなく島だ」(外務省幹部)とする説明を本格化させる。国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所が南シナ海の環礁について、周囲に排他的経済水域(EEZ)を設定できる「島」と認めなかったため、似た地形の沖ノ鳥島への国際的な風当たりが強まりかねないと判断した。同島がもたらす海洋権益を保護するのが目的だ。
菅義偉官房長官は14日の記者会見で、日本最南端の領土としている沖ノ鳥島について「国連海洋法条約上の条件を満たす島だと考えている」と強調した。「海の憲法」と呼ばれる国連海洋法条約は島に関して(1)自然に形成された陸地(2)満潮時も地表が水面上にあるーと定義する。周囲約10キロの沖ノ鳥島は満潮時、地表部分が2畳程度になるとされる。「島としての要件はかろうじて失っていない」というのが政府の立場だ。こうした見解を記者会見や国際会議を通じて丁寧に伝える方針。
政府は「沖ノ鳥島の法的地位は国際機関によって認められている」(政府関係者)との説明にも力を入れる。外務省は2012年4月、国連海洋法条約に基づく大陸棚限界委員会が日本の新たな大陸棚を認定した際、沖ノ鳥島を基点の一つに認めたとして、歓迎する談話を出した。(共同)
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