Thursday, July 14, 2016 10:28 AM

退位も辞さず、今春意向 陛下、宮内庁の軽減策に

 天皇陛下が、新たな公務の負担軽減策が検討されていた今春、身近な関係者に「天皇である以上は公務を全うする。そうでなければ憲法で定められた象徴としてふさわしくない」との趣旨の考えを示されていたことが14日、政府関係者への取材で分かった。陛下は大幅な軽減策を拒み、十分な活動ができなくなれば生前退位も辞さない意向を漏らしたという。

 陛下の発言は初めてではなく、数年前から公務削減の議論が出る度に繰り返していた内容で、皇后さまや皇太子さま、秋篠宮さまも理解していた。宮内庁はこうした状況の中で、風岡典之長官ら幹部数人が水面下で皇室典範改正の是非について本格的に検討。議論の進捗状況は官邸と共有し、両陛下にも報告されていたとしている。

 宮内庁の一部ではこれまでも、典範改正に関する研究が続けられてきた。生前退位は、両陛下が1月末のフィリピン訪問を終えた後の2月以降、今後の公務の負担軽減策を話し合う過程で研究が進んだという。(共同)