Thursday, April 20, 2017 10:15 AM

アップルが医療機器を開発中〜糖尿病治療で極秘チーム編成

 電子機器大手アップルが、糖尿病治療に役立つ機器の開発に取り組んでいるもようだ。

 CNBCが3人の関係者の話として伝えたところによると、極秘に集められた研究チームが、皮膚を傷つけることなく継続的に血糖値を観察できるセンサーを開発しているという。この取り組みは5年以上前から続いており、カリフォルニア州の本社に近いベイエリアの臨床施設で実行可能性を調べているほか、規制面の課題を検討するためにコンサルタントも雇用している。

 医療機器開発の構想自体はアップルの共同設立者である故スティーブ・ジョブズ氏の発案で、氏はスマートウォッチのような身に付けられる装置で、血中酸素濃度、心拍数、血糖値といった重要な生命情報を計測可能にすることを思い描いていた。

 極秘研究チームは、以前はマイケル・ヒルマン氏が率いていたが、現在はハードウェア・テクノロジー担当副社長のジョンイー・スルジ氏の監督下にある。ヒルマン氏は2015年末にアップルを退社して現在はフェイスブック傘下オキュラスのハードウェア責任者。氏のリンクトイン・ページには「アップルでハードウェア技術に関する極秘の役割を担った」と記載されている。

 関係者によると、16年4月ごろには約30人が同チームに所属していたが、最近になってバイタル・コネクト(Vital Connect)、マシモ(Masimo)、サノ(Sano)、メドトロニック(Medtronic)、C8メディセンサーズ(C8 Medisensors)といった企業から生物医学専門家を10人余り引き抜いたため、憶測が飛び交っている。

 雇用された専門家は、一部が血糖専門の極秘研究チームに、残りはアップル・ウォッチのチームに加わっている。肌を傷つけずに血糖値(血中ブドウ糖濃度)を正確に測定するのは非常に難しく、これまで多くの生命科学企業が試みては失敗しているが、アップルは皮膚に光を当てて血糖値を測る光学センサーを開発しているという。