Monday, July 18, 2016 5:47 PM

ロシア大統領、WADA報告に反発 疑惑の当局者は職務停止に

 2014年ソチ冬季五輪でロシアが自国選手の薬物使用検査結果を国ぐるみで操作したとする世界反ドーピング機関(WADA)の調査結果を受け、ロシアのプーチン大統領は18日に声明を出し、報告で直接関与したと名指しされた当局者について、ロシア側の調査が終わるまで一時的に職務停止とする方針を示した。一方で、報告の客観性を疑問視し、「スポーツへの政治介入」に当たるとして反発した。

 声明では、報告はソチ五輪のドーピング検査所で所長を務めたロドチェンコフ氏だけの証言に基づいているが、同氏には「スキャンダルの評判がある」と主張。WADAには「客観的な」情報を提供するよう求めた。

 さらに、1980年モスクワ五輪を、日本や米国が当時のソ連によるアフガニスタン侵攻に抗議してボイコットし、これに対抗してソ連や他の東側諸国が84年ロサンゼルス五輪に参加しなかった問題を挙げ、現在に似ていると指摘。「国家と国民について悪い印象をつくり出し、スポーツを政治的圧力の道具に使う」状況になっていると批判した上で、「五輪運動は再び分裂の瀬戸際に追い込まれうる」と警告した。(共同)