Tuesday, July 19, 2016 10:34 AM

ロシアのリオ五輪排除勧告 国ぐるみドーピング断定

 世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームは18日、カナダのトロントで記者会見し、2014年ソチ冬季五輪などでロシアのスポーツ省が主導して同国選手の禁止薬物使用を隠蔽する国ぐるみの不正が行われていたと断定した調査報告書を公表した。WADAはこれを受け、開幕が迫ったリオデジャネイロ五輪・パラリンピックでロシア選手団の全面的な出場禁止を検討すべきだと、国際オリンピック委員会(IOC)と国際パラリンピック委員会(IPC)に勧告。IOCは19日に緊急電話理事会で処分を検討する。

 11〜15年にロシアで開催された主要国際大会で、同国選手の禁止薬物使用の隠蔽や検体のすり替えが行われた。IOCのバッハ会長は「関与した個人や団体に最も厳しい処分を科すことも辞さない」との声明を発表。IOCは12年ロンドン五輪で金メダル数4位の大国の処遇について難しい判断を迫られる。ロシアのプーチン大統領は18日に声明を出し、報告の客観性を疑問視し「スポーツへの政治介入」に当たるとして反発した。

 調査責任者のマクラーレン氏や報告書によると、13年の世界陸上選手権(モスクワ)や15年の世界水泳選手権(カザニ)など20の夏季五輪競技を含めた大半の競技で不正が行われた。モスクワの検査所は違反隠蔽のため、陽性反応が出た検体のうちスポーツ省次官から「救済」の指示が出た少なくとも312検体を、WADAに「陰性」と虚偽報告した。パラリンピック選手も含まれた。(共同)