Tuesday, July 19, 2016 10:37 AM

アロヨ元大統領の釈放決定 比最高裁、公訴取り下げ

 フィリピン最高裁は19日、アロヨ元大統領(69)が在任中に政府基金を使い込んだとする横領罪について「証拠が不十分」として、公訴取り下げを決定し、軍病院で拘束されてきたアロヨ氏の釈放を命じた。決定は11対4の賛成多数。

 ドゥテルテ大統領はアロヨ氏の恩赦に前向きな姿勢を示してきたが、恩赦を受けるには罪を認める必要があるため、無実を訴えてきたアロヨ氏はこれを拒否。アロヨ氏は19日の声明で「適正な法手続きが実現するようにしてくれたドゥテルテ氏に心から感謝したい」と述べ、今回の決定に政権が関与したことをほのめかした。

 アロヨ氏は2007年の上院選で与党議員の得票結果を不正に操作したとして選挙法違反容疑で11年に逮捕された。いったん保釈されたが、12年10月に横領容疑で再逮捕され、頸部の治療のため軍病院で身柄を拘束されてきた。裁判は公務員犯罪特別裁判所で行われていた。(共同)