Wednesday, July 20, 2016 10:27 AM

南シナ海「曖昧路線」窮地 蔡政権、発足2カ月

 台湾の民主進歩党(民進党)の蔡英文政権発足から20日で2カ月。南シナ海を巡る仲裁裁判所の判断で、台湾が実効支配する太平島も「島」でないとされたため、台湾でも反発が起きた。馬英九前政権は中国と同様に南シナ海ほぼ全域の領有権を主張。一方、蔡政権は態度を明確にしていなかったが、野党などから批判が高まり、“曖昧路線”が窮地に陥っている。

 「(軍艦派遣は)台湾人民が国家利益を守る決意の表明だ」。蔡氏は仲裁判断が出た翌日の今月13日、太平島へ派遣する軍艦上で談話を発表し、「領土主権」を守る決意を内外に誇示した。ただ、仲裁判断が中国の主張する「九段線」を否定したことへの言及は避けた。

 1940年代、当時の中華民国は南シナ海のほぼ全域を収める「十一段線」を引いた。「一つの中国」を原則とする中国はこの十一段線を継承する形で九段線を引き、領有権を主張してきた。(共同)