Monday, June 05, 2017 11:13 AM

首相、中国経済圏に協力 「一帯一路」構想を評価

 安倍晋三首相は5日、東京都内の会合で講演し、中国が推進する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に関し、条件が整えば協力すると表明した。構想には潜在的な可能性があると評価し、国際社会との協調を条件に挙げた。協力を公式に表明したのは初めてとみられる。7月のドイツ開催を調整する日中首脳会談の実現に向け中国側の融和姿勢を引き出し、中国に接近する米国に乗り遅れないよう布石を打つ狙いがありそうだ。

 中国が一帯一路をテーマに5月に開催した国際会議に米国は代表団を派遣した。日本も自民党の二階俊博幹事長を出席させたが、首相はその後、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加に前向きな考えを示し、今回の発言につながった。

 首相は講演で、一帯一路は「洋の東西、そしてその間にある多様な地域を結びつけるポテンシャルを持った構想だ」と述べた。一方で「万人が利用できるよう開かれており、透明で公正な調達によって整備されることが重要だ」と指摘した。(共同)