Thursday, July 21, 2016 9:59 AM

紛争懸念、国際法順守を 南シナ海でARF声明案

 ラオスで26日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会議で、南シナ海問題を念頭に、海洋安全協力に関する閣僚声明を発表する見通しであることが21日分かった。中国や南シナ海への直接の言及を避けつつ、海洋紛争の脅威の高まりに懸念を表明、国連海洋法条約の順守を呼び掛ける。

 同条約に基づく仲裁裁判所が12日、南シナ海のほぼ全域で中国が主張する主権と権益を全面否定する判断を下した後、初めて米中外相がラオスで顔合わせする予定。仲裁判断の受け入れを巡り激しいやりとりが繰り広げられそうだ。

 ASEAN外交筋によると、声明案は、海の安全はアジア太平洋地域の繁栄にとって極めて重要と指摘。中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題を念頭に「関係国は争いの複雑化や緊迫化を招き、地域の平和と安定に影響を与えるような行動は自制すべきだ」と強調し、国連海洋法条約の原則を守ることなどを明記している。(共同)