Wednesday, June 28, 2017 11:51 AM

東芝、WD提訴 半導体売却妨害で賠償請求

 経営再建中の東芝は28日、半導体子会社「東芝メモリ」(東京)の売却を妨害したとして、三重県四日市市の工場を共同運営するウエスタン・デジタル(WD)に総額1200億円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。不正競争行為の差し止めを求める仮処分命令も申し立てた。WDが米国で起こした訴訟に反訴した形で、対立は泥沼化の様相だ。他にも課題が山積しており、経営は綱渡りが続く。

 東芝は28日に定時株主総会を開いた。綱川智社長は東芝メモリ売却で、優先交渉先の産業革新機構を中心とする「日米韓連合」との契約遅れなどを謝罪。取締役9人の再任は承認されたが、株主から「経営陣が全員代われば企業風土は変わる」などと糾弾する声が相次ぎ、大荒れとなった。

 東芝が上場を維持するには、東芝メモリ売却で来年3月末に負債が資産を上回る債務超過を解消することが不可欠だ。日米韓連合との契約を急ぐが、WDとの係争が障害となる恐れもある。(共同)