Monday, July 25, 2016 10:31 AM

ロシアの全面除外見送り リオ出場は国際連盟判断

 国際オリンピック委員会(IOC)は24日、電話による緊急理事会を開き、国ぐるみのドーピング問題が発覚したロシアをリオデジャネイロ五輪から全面除外する処分は見送ることを決めた。厳しい条件をクリアした選手は容認し、出場の可否は各競技を統括する国際連盟(IF)に判断を委ねた。スポーツ大国との亀裂を生むリスクは回避したが、8月5日の五輪開幕を間近に控えて出場資格を巡って混乱する可能性が出てきた。

 ロシア選手の出場には、違反歴がないことや信用できる国外検査をクリアしていることなどの条件を設定。出場申請を受け付けた選手には追加の検査を義務付けた。IFは各選手の過去の検査履歴などを調べなければならない。

 IOCのバッハ会長は電話記者会見で「国全体の責任か個人の正義かの判断でバランスを重視した」と述べた。ロシア陸上界のドーピング問題を内部告発した女子中距離のステパノワ選手の参加は認めなかった。国際陸連が問題発覚への貢献を考慮して国際大会出場を認めたが、IOCは違反歴を問題視した。(共同)