Tuesday, July 26, 2016 10:39 AM

国民党資産の回収へ立法 台湾、政治改革が前進

 台湾の立法院(国会)は25日夜、野党国民党が戦後日本からの接収などにより所有する巨額の党資産の回収を進める特別法を可決した。国民党一党独裁時代の制度を引きずる台湾の長年の課題で、民主進歩党(民進党)が1月の立法院選で過半数を占めたことで実現した。台湾の政治改革にとり大きな前進となる。

 新法は党資産のうち、党費や政治献金、政党補助金などを除いて、1945年8月15日以降に不当に得たとみなされる資産の国庫返納を求める内容。日本が台湾から引き揚げた後、国民党は日本統治時代の資産を接収。不動産のほか、投資などにより巨額の利益を得て「世界一の金持ち政党」とも呼ばれた。

 民選総統となった李登輝政権以降、徐々に国民党資産は整理されてきたが、内政部(内政省)によると現在も約190億台湾元(約620億円)近い資産がある。選挙などでは豊富な資金により国民党が有利な構造になっていた。(共同)