Friday, July 28, 2017 11:54 AM

稲田氏不問で幕引き 幹部の隠蔽責任のみ認定

 稲田朋美防衛相は28日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報隠蔽問題の責任を取り辞任した。だが特別防衛監察は、焦点の電子データ非公表に関して、事務方トップの黒江哲郎事務次官や岡部俊哉陸上幕僚長らの関与のみ認定。政府は両氏を交代させ問題の幕引きを図るが、防衛省内には稲田氏を不問とする監察結果に不満の声がくすぶる。背広組と制服組の間の亀裂は深まり、混乱を収束させるのは容易ではない。

 28日公表の特別防衛監察結果では、陸上自衛隊側から稲田氏に対し電子データ保管を巡り「何らかの発言があった可能性は否定できない」と指摘。保管の報告があった可能性を示唆しながら、稲田氏が非公表とする方針を了承した事実はないと結論付けた。

 稲田氏は同日の記者会見で「報告を受けた認識は今でもない」と改めて否定。さらに「内部からの情報流出をにおわせる報道が相次ぎ、ガバナンスについても信頼を損ないかねない印象を与えた」と付け加え、批判の矛先を身内に向けた。(共同)