Tuesday, July 26, 2016 1:18 PM

賃上げ以外の対策不可欠 平均賃金引き上げ最大

 2016年度最低賃金の過去最大の引き上げは、「名目国内総生産(GDP)600兆円」を目指す安倍晋三首相の強いこだわりで実現した。非正規労働者の賃金の底上げにつながるが、待遇全体は賃上げだけで改善するわけではない。正社員化の促進や税制、社会保障制度の見直し、中小企業への支援強化などあらゆる対策の動員が不可欠だ。

 首相は昨秋以降、繰り返し最低賃金の3%引き上げに言及。1億総活躍プランにも明記し政府が特定年度の数値目標を設定したのは初めてだった。連合や経団連の調査では今春闘の賃上げは2%超で、それを上回った意味は大きい。

 一方で、全国平均で時給24円の引き上げは昨年度以上に企業への負担を増やすため、政府が8月に閣議決定する経済対策では中小企業への支援策が一層、重要性を増すことになる。(共同)