Thursday, August 24, 2017 11:01 AM

定置網漁、AI活用探る 効率化と資源保護で

 北海道南部で、定置網漁に人工知能(AI)を活用する試みが始まった。定置網漁は、海中の定まった場所に網を設置して魚群を誘導する漁法で、魚種や漁獲量を事前に読むことは難しい。公立はこだて未来大(函館市)の和田雅昭教授(46)らは、AIが魚種などを予測するシステムを構築し、操業の効率化と資源保護につなげる考えだ。

 和田教授らは2006年、海水温や潮流などをリアルタイムで把握できる観測用ブイ「ユビキタスブイ」を開発。海中の様子の可視化に取り組んできた。今回はAI導入に向け、定置網に取り付けた魚群探知機の画像データを収集。魚種ごとに回遊の速度や水深が違うと仮定し、データを基にAIが魚種を判別できるよう実験を行っている。

 魚群探知機からタブレット端末にデータを送信し、AIが判別して出港前に漁師が確認する仕組み。函館市・木直漁港の小型船で実験に協力している尾上美彦さん(66)は「狙った魚が少ないと、燃料費がかさんで赤字になることもある。出港前に予測してもらえると本当に助かる」と話す。(共同)