Thursday, July 28, 2016 10:53 AM

溶融燃料、大部分は炉底部 推計160トン初確認

 東京電力は28日、福島第1原発2号機の原子炉内を、宇宙線から生じ、物質を透過する性質がある素粒子「ミュー粒子」で透視した結果、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の大部分が圧力容器の底に残っているとみられるとの調査結果を発表した。原子炉底部に存在するデブリは160トン前後と推計される。

 炉心溶融が起きた第1原発1〜3号機で、どこにあるか分からなかったデブリの具体的な位置や推計量が把握できたのは初めて。廃炉で最大の難関であるデブリ取り出しに向け、工法を絞り込める可能性が出てきた。

 東電によると、今年3月から約4カ月間、2号機の原子炉建屋脇に設置した測定装置でミュー粒子を観測した結果、分析画像には、圧力容器下部にデブリとみられる高密度の物質が黒い影になって写り、本来燃料があった位置は物質が少ないため白っぽく写った。(共同)