Friday, July 29, 2016 9:56 AM

TPP、存亡の瀬戸際に 米大統領候補反対譲らず

 環太平洋連携協定(TPP)が存亡の瀬戸際に立たされている。米大統領選の民主党候補に指名されたクリントン前国務長官は28日、不公正な貿易協定には反対する決意を改めて表明。共和党候補の実業家トランプ氏はTPP脱退の主張を譲らない。発効には米議会の承認が不可欠だが、めどはまったく立っていない。

 「不公正な貿易協定にノーを突きつけるべきだと思うのなら、われわれの陣営に加わろう」。クリントン氏は28日の演説で、党大会の会場を埋めた聴衆に呼び掛けた。

 TPPに直接言及しなかったため「賛成に転じる余地を残した」との見方もできるが、クリントン氏はこれまで「貿易自由化の高い水準を満たさないTPPは拒否できる」と繰り返し訴えている。陣営幹部のポデスタ氏も27日の記者会見で「クリントン氏は選挙前も選挙後も反対だ」と強調し、賛成に転じるとの見方を否定した。(共同)